Network Working Group G. Camarillo Request for Comments: 5367 Ericsson Updates: 3265 A.B. Roach Category: Standards Track Tekelec O. Levin Microsoft Corporation October 2008 セッション開始プロトコル(SIP)のリクエストに 含まれるリソースリストに対するサブスクリプション Subscriptions to Request-Contained Resource Lists in the Session Initiation Protocol (SIP) 本文書の位置付け 本文書は、インターネットコミュニティのためのインターネット標準化過程 プロトコルを規定し、改善のための議論や提案を依頼するものである。標 準化の段階や、プロトコルの位置付けについては、最新版の"Internet Official Protocol Standards" (STD 1)を参照されたい。本文書の配信は 無制限である。 概要 本文書は、SIPのリソースリストに対してサブスクリプションを作成する方 法について規定する。この処理は、SUBSCRIBEリクエストのボディにリソー スリストを含めることで達成される。サブスクライバが個々のリソースに SUBSCRIBEリクエストを送信するのではなく、サブスクライバが単一の SUBSCRIBEダイアログを使用して、リソースリストの定義、そのリストへの サブスクライブ、およびリソースのステータスの変化に関する通知の取得 を行う。 目次 1. はじめに ....................................................... 2 2. 用語 ........................................................... 2 3. ユーザーエージェントクライアントの手順 ......................... 2 3.1. 応答の処理 ............................................... 2 3.2. 後続のSUBSCRIBEリクエスト ................................. 3 4. URIリストドキュメント形式 ..................................... 3 5. リソースリストサーバーの動作 ................................... 4 5.1. 後続のSUBSCRIBEリクエスト ................................. 4 6. リソースリストを操作するURIの提供 ............................. 4 7. 例 ............................................................. 5 8. セキュリティの考慮事項 ......................................... 6 9. IANA条項 ....................................................... 6 9.1. Purposeパラメータ値List-Management ....................... 6 9.2. recipient-list-subscribeオプションタグ ................... 7 10. 謝辞 ......................................................... 7 11. 規範となる参考文献 ........................................... 7 Camarillo Standards Track [Page 1] RFC 5367 SUBSCRIBE-Contained Lists October 2008 1. はじめに [RFC4662]は、SIPで同種のリソースリストに対してサブスクリプションを 確立する方法について規定している。また、関連するリソースの状態変化 に関して通知を受ける手順を定義している。ただし、リストの作成は [RFC4662]の対象外である。 本文書では、複数のリソースを含むリストを作成する方法と、単一のSIPリ クエストを使用してそのリストにサブスクライブする方法について規定す る。この処理は、SUBSCRIBEリクエストのボディにリソースリスト ([RFC5363]で定義)を含めることで達成される。 2. 用語 本文書では、キーワード「MUST」、「MUST NOT」、「REQUIRED」、 「SHALL」、「SHALL NOT」、「SHOULD」、「SHOULD NOT」、 「RECOMMENDED」、「MAY」、「OPTIONAL」はRFC 2119 [RFC2119]に記載さ れるとおりに解釈されるべきである。 3. ユーザーエージェントクライアントの手順 本文書で説明するメカニズムを使用して、リソースリストを作成し、リス トにサブスクライブしたいUACは、少なくとも1つのボディを含むSUBSCRIBE リクエストを構築する。このボディのディスポジションタイプは" recipient-list"([RFC5363]で定義)であり、URIリストを含む。さらに、 UACはRequireヘッダーフィールドに'recipient-list-subscribe'オプショ ンタグ(セクション9でIANAに登録されている)を含めなければならない [MUST]。UACは、[RFC3265]の規則に従ってSUBSCRIBEリクエストの残りを構 築しなければならない[MUST]。 UACは[RFC4662]に定義されている"rlmi+xml"形式をサポートし、Accept ヘッダーフィールドに"rlmi+xml"を含めることでそれをシグナリングしな ければならない[MUST]。UACはその他の形式をサポートし、それを SUBSCRIBEリクエストのAcceptヘッダーフィールドに含めてもよい[MAY]。 3.1. 応答の処理 SUBSCRIBEリクエストに対する応答のステータスコードは、リソースリスト サーバーがURIリストのユーザーに正常にサブスクライブできたかどうかに ついて何も情報を提供しない。UACは、サーバーから送信される通知でその 情報を取得する。 Camarillo Standards Track [Page 2] RFC 5367 SUBSCRIBE-Contained Lists October 2008 3.2. 後続のSUBSCRIBEリクエスト 前述の各セクションでは、複数のリソースの状態にサブスクライブするた めに、リソースリストサーバーに対する最初のSUBSCRIBEリクエストにURI リストを含める方法について規定した。サブスクリプションが作成され、 UACとリソースリストサーバー間のダイアログが確立した場合、UACは、た とえばサブスクリプションの継続期間を延長する目的などで、後続の SUBSCRIBEリクエストを送信することができる。 現時点で、後続のSUBSCRIBEリクエストのrecipient-listボディに関連する セマンティクスはない(ただし、将来的な拡張で定義される可能性はある)。 したがって、UACはリソースリストサーバーに対する後続のSUBSCRIBEリク エストにrecipient-listボディを含めるべきではない[SHOULD NOT]。 最初のSUBSCRIBEリクエストと後続のSUBSCRIBEリクエストの違いは、最 初のリクエストはリソースリストのパブリックURIに送信されるが、後 続のリクエストはダイアログの確立時にサーバーが提示したURIに送信 される点である。 したがって、UACの観点からすると、前者のURIによって識別されるリ ソースはrecipient-listボディをサポートするが、後者のURIで識別さ れるリソースはサポートしない。 4. URIリストドキュメント形式 [RFC5363]では、本文書で定義するサブスクリプションサービスなど、各 URIリストサービス仕様が、そのサービス内で使用するrecipient-listボ ディのデフォルト形式を規定することを必須としている。 本文書で定義するサブスクリプションサービスのrecipient-listボディの デフォルト形式は、[RFC4826]に定義されているリソースリスト形式である。 recipient-listボディを生成するUA(User Agent)は、この形式をサポート しなければならない[MUST]。また、他の形式をサポートしてもよい[MAY]。 recipient-listボディを処理する機能を持つリソースリストサーバーは、 この形式をサポートしなければならない[MUST]。また、他の形式をサポー トしてもよい[MAY]。 Extensible Markup Language (XML) Configuration Access Protocol (XCAP)リソースリストドキュメントには、階層的リストや、XCAPルートURI に対する相対参照でエントリを含める機能などがある。ただし、これらの 機能は、本文書で定義するサブスクリプションサービスには不要である。 サブスクリプションサービスは、UAとリソースリストサーバー間で単一階 層のURIリストしか転送する必要がない。したがって、デフォルトのリソー スリストドキュメントを使用する場合、UAは単一階層のリスト(つまり非階 層的リスト)を使用すべきである[SHOULD]。また、要素を使用 すべきではない[SHOULD NOT]リソースリストサーバーは、ここで説明した 以外の情報を含むURIリストを受信した場合、その余計な情報をすべて破棄 してもよい[MAY]。 Camarillo Standards Track [Page 3] RFC 5367 SUBSCRIBE-Contained Lists October 2008 図1は、リソースリストドキュメントに従う単一階層リストの一例である。 図1: URIリスト 5. リソースリストサーバーの動作 recipient-listボディを含むSUBSCRIBEリクエストを受信および処理する機 能を持つリソースリストサーバーは、OPTIONSリクエストに応答する際に Supportedヘッダーフィールドへ'recipient-list-subscribe'オプションタ グを含めるべきである[SHOULD]。 URIリストを含むSUBSCRIBEリクエストを受信した場合、"rlmi+xml"形式を 受け入れる予定のリソースリストサーバーは、サブスクリプションを作成 する場合、および作成したダイアログ内のリソースの変化を報告する場合 に[RFC4662]に準拠しなければならない[MUST]。 5.1. 後続のSUBSCRIBEリクエスト 現時点で、後続のSUBSCRIBEリクエストのrecipient-listボディに関連する セマンティクスはない(ただし、将来的な拡張で定義される可能性はある)。 したがって、リソースリストサーバーは、recipient-listボディを含む後 続のSUBSCRIBEリクエストを受信した場合、標準のSIPの手順に従って、415 (Unsupported Media Type)応答で拒否する。 6. リソースリストを操作するURIの提供 UACは、リソースリストサーバーのリソースリストを操作することができる。 リソースリストサーバーは、サブスクリプションを確立するNOTIFYリクエ ストにCall-Infoヘッダーフィールドを使用して、サブスクリプションに関 連するリソースリストを操作できるURIを提供してもよい[MAY]。Call-Info ヘッダーフィールドの"purpose"パラメータには、'list-management'の値 (セクション9でIANAに登録)を含めなければならない[MUST]。 このようなヘッダーフィールドの例を以下に示す。 Call-Info: ;purpose=list-management Camarillo Standards Track [Page 4] RFC 5367 SUBSCRIBE-Contained Lists October 2008 サーバーが提供したURIによって操作されるリソースリストのライフタイム は、サブスクリプションのライフタイムにバンドルされる。つまり、サブ スクリプションが期限切れになるとき、またはそれ以外の理由でサブスク リプションが停止されるとき、リソースリストは破棄すべきである [SHOULD]。 [RFC3265]のセクション7.1は、NOTIFYリクエストに含めることができる ヘッダーフィールドの表にCall-Infoヘッダーフィールドを記載していない。 本文書は、Call-InfoヘッダーフィールドをOPTIONSでNOTIFYリクエストに 含めることができるように、この表を更新する。 7. 例 SUBSCRIBEリクエストの一例を以下に示す。この例では、UACからリソース リストサーバーに送信されるボディにURIリストを含めている。 SUBSCRIBE sip:rls@example.com SIP/2.0 Via: SIP/2.0/TCP terminal.example.com;branch=z9hG4bKwYb6QREiCL Max-Forwards: 70 To: RLS From: ;tag=ie4hbb8t Call-ID: cdB34qLToC@terminal.example.com CSeq: 1 SUBSCRIBE Contact: Event: presence Expires: 7200 Require: recipient-list-subscribe Supported: eventlist Accept: application/cpim-pidf+xml Accept: application/rlmi+xml Accept: multipart/related Accept: multipart/signed Accept: multipart/encrypted Content-Type: application/resource-lists+xml Content-Disposition: recipient-list Content-Length: 337 図2: SUBSCRIBEリクエスト Camarillo Standards Track [Page 5] RFC 5367 SUBSCRIBE-Contained Lists October 2008 8. セキュリティの考慮事項 [RFC4662]の「Security Considerations」セクションでは、リソースリス トサーバーに関するセキュリティの問題が論じられている。リクエストに 含まれるURIリストを受け入れるリソースリストサーバーは、[RFC4662]に 記載されているセキュリティのガイドラインにも従わなければならない [MUST]。 「Framework and Security Considerations for Session Initiation Protocol (SIP) URI-List Services」[RFC5363]では、SIP URIリストサー ビスに関する問題が論じられている。複数のユーザーに対してSUBSCRIBEリ クエストを送信するリソースリストサーバーが、URIリストサービスとして 動作する場合、リクエストに含まれるURIリストを処理するリソースリスト サーバーの実装は、[RFC5363]のセキュリティ関連の規則に従わなければな らない[MUST]。この規則には、クライアントのオプトインリストおよび必 須の認証と認可が含まれる。 9. IANA条項 以下のセクションでは、Call-Infoヘッダーフィールドの"purpose"パラ メータの'list- management'値、および'recipient-list-subscribe' SIP オプションタグのIANA登録について説明する。 9.1. Purposeパラメータ値List-Management 本文書は、Call-Infoヘッダーフィールドの"purpose"パラメータ用に 'list-management'値を定義する。このRFC (かっこで囲まれる)への参照が、 「SIP Parameters」登録の既存の"purpose" Call-Infoパラメータエントリ に追加された。現在、以下のような記載内容である。 Predefined Header Field Parameter Name Values Reference ---------------------------- --------------- --------- --------- Call-Info purpose Yes [RFC3261] Camarillo Standards Track [Page 6] RFC 5367 SUBSCRIBE-Contained Lists October 2008 9.2. recipient-list-subscribeオプションタグ 本文書は、SIPオプションタグ"recipient-list-subscribe"を定義する。 以下の行が「SIP Parameter Registry」の「Option Tags」セクションに追 加された。 +--------------------------+----------------------------+-----------+ | Name | Description | Reference | +--------------------------+----------------------------+-----------+ | recipient-list-subscribe | This option tag is used to | [RFC5367] | | | ensure that a server can | | | | process the recipient-list | | | | body used in a SUBSCRIBE | | | | request. | | +-------------------------------------------------------+-----------+ 10. 謝辞 Cullen JenningsとJonathan Rosenbergから、本文書について有益なコメン トをいただいた。 11. 規範となる参考文献 [RFC2119] Bradner, S., "Key words for use in RFCs to Indicate Requirement Levels", BCP 14, RFC 2119, March 1997. [RFC3261] Rosenberg, J., Schulzrinne, H., Camarillo, G., Johnston, A., Peterson, J., Sparks, R., Handley, M., and E. Schooler, "SIP: Session Initiation Protocol", RFC 3261, June 2002. [RFC3265] Roach, A.B., "Session Initiation Protocol (SIP)-Specific Event Notification", RFC 3265, June 2002. [RFC4662] Roach, A.B., Campbell, B., and J. Rosenberg, "A Session Initiation Protocol (SIP) Event Notification Extension for Resource Lists", RFC 4662, August 2006. [RFC4826] Rosenberg, J., "Extensible Markup Language (XML) Formats for Representing Resource Lists", RFC 4826, May 2007. [RFC5363] Camarillo, G. and A.B. Roach, "Framework and Security Considerations for Session Initiation Protocol (SIP) URI- List Services", RFC 5363, October 2008. Camarillo Standards Track [Page 7] RFC 5367 SUBSCRIBE-Contained Lists October 2008 著者の連絡先 Gonzalo Camarillo Ericsson Hirsalantie 11 Jorvas 02420 Finland EMail: Gonzalo.Camarillo@ericsson.com Adam Roach Tekelec 17210 Campbell Rd Ste 250 Dallas, TX 75252 USA EMail: Adam.Roach@tekelec.com Orit Levin Microsoft Corporation One Microsoft Way Redmond, WA 98052 EMail: oritl@microsoft.com Camarillo Standards Track [Page 8] RFC 5367 SUBSCRIBE-Contained Lists October 2008 完全な著作権表記 Copyright (C) The IETF Trust (2008). 本文書は、BCP 78に含まれる権利、ライセンス、制限の対象となり、BCP 78に記載されている例外に従い、著者はすべての権利を持つ。 本文書とここに含まれた情報は「無保証(AS IS)」で提供され、寄稿者、寄 稿者が代表となる組織、または寄稿者を後援する組織(存在する場合)、イ ンターネット協会、IETF TSUST、およびIETFは、この情報がいかなる権利 も侵害していないという保証、商用利用および特定目的への適合性への保 証を含め、また、これらだけに限らずすべての保証について、明示的もし くは暗黙的の保証は行われない。 知的所有権 IETFは、本文書で記述される技術の実装または使用に関して要求される、 知的所有権または他の諸権利の有効性または範囲に関して、またはこのよ うな権利下の任意のライセンスがどの範囲まで使用可能か不可能かに関し て、何ら見解を持たない。このような権利を確認する独自の取り組みを 行ったことも示さない。RFC文書の権利に関する手続きの情報は、BCP 78お よびBCP 79に記載されている。 IPRの開示のコピーがIETF事務局に対して作成され、利用可能になるライセ ンスの保証すべて、またはこのような所有権の使用に関して、本仕様の実 装者またはユーザーが一般的なライセンスまたは許可の取得を試みた結果 については、IETFのオンラインIPR保存所 http://www.ietf.org/ipr で取 得可能である。 IETFは、この規格を実装するために必要とされる技術の範囲にある可能性 がある、すべての著作権、特許または特許アプリケーション、あるいは他 の所有権について、すべての関連団体に対して配慮するよう依頼している。 情報は、IETF (ietf-ipr@ietf.org)宛てに送信していただきたい。 ----------------------------------------------------------------------- 本文書は、RFCの原文を元に、株式会社ソフトフロントが日本語に翻訳したもの です。本翻訳物の著作権は、株式会社ソフトフロントが保持しています。ただ し、この権利の設定は原文から新たな翻訳を作成し公開することを妨げるもの ではありません。本翻訳物は、本著作権表示を含めて改変しないことを条件に 再配布を許可します。翻訳の正確さについては一切保証しません。原文とあわ せてご利用ください。 2009年 ----------------------------------------------------------------------- Camarillo Standards Track [Page 9]